その方の背景を考える ~「思考停止言葉」使っていませんか?
こんばんは。
最近、蒙古タンメン中本の「北極」を食べたら翌日肛門が死んだとべりんです。
あのロシアを制する正露丸でさえ効き目がイマイチだったんです。
北極2辛(2倍の辛さ)オーダーする人を「頭イカれてんじゃね」とか、北極を真顔で食らう人を「俺とは味覚が別次元だ。段位が違う」とか思ってます。
でも、中本の激辛ラーメンはクセになってこういう結末迎えんのにまた行っちゃうんですよね。
さて、今日は「思考停止言葉」です。
北極は味覚停止とは行かないまでも味覚鈍麻ですね。
1. 教育で使いがちな思考停止言葉
よく親にこう言われて反発する。
親「それは常識だから言わなくても分かるでしょ」
私「俺にとっての常識じゃないから言ってよ」
人それぞれ何を常識と思うかは違うと思っている。だからこそ、その常識の「背景」を摺り寄せた方が互いの価値観を理解しやすい。
「頑張ってね」はよく使いがちだった。何かあると「頑張ってね」と友達を励ましていた。教師も使いがちなのではないか。しかし、言われた側はまだ頑張る気になれなかったりするのかもしれない。私も入職したばかりの頃に「頑張ってね」と励ましの言葉を頂くことがあった。嬉しいのだが「何をいつまでにどのようにどの程度」改善すれば良いのか分からなくて困った。頑張れと声掛けしたくなるその方の「背景」にもっと関心を持ち会話を重ねるのが近道だと感じた。
2. 介護現場で使いがちな思考停止言葉
(1)理念やインタビュー
クローズアップ現代「あふれる”ポエム”?! ~不透明な社会を覆うやさしいコトバ~」では介護甲子園を取り上げていた。よく介護施設の理念やインタビューでも「地域に開かれた、やりがい、笑顔、感動、幸せ」などの言葉を目にする。ふんわりした表面が先走り過ぎると表裏一体をなす影の面が見えづらくなる。現実的に厳しい現状も鑑みて理想に近づく為にどう工夫しているのか発信したり施設全体で試行錯誤したりする取組が少しでも増えてくれたらと思う。また、
・地域に開かれた状態ってどういう状態なのか
・どうすれば負担があまり重くならずにやりがいに繋げられるのか
のようにより深く考える機会があれば良いと思う。
介護甲子園もふんわりした言葉を過度に使わず、単純に実践事例を通した論理的な発表の場にすれば印象が良くなると感じる。
(2)介護記録
「弄便、徘徊、帰宅願望」介護記録でたまに目にする「問題行動」を指すような言葉である。ただし、よく考えると問題行動を起こしたくなくても問題行動と認知されてしまうこともある。本人を取り巻く環境に対する行動が問題扱いとなる訳である。だからこそ、その分一見理解し難い行動の背景に迫ることが重要なのではないか。その為の手段の1つが介護記録だと思っている。
3. その方の「背景」に迫る為に
(1)思考停止言葉を控える、使用頻度を減らす
小学校教師「沼田晶弘(ぬまっち)氏」の実践。それを阿部広太郎氏が纏めたものから抜粋させて頂いた。『ぬまっちのクラスが「世界一」の理由』を読むとユニーク実践が盛り沢山でウキウキする。
1)NGワード作文使いやすい言葉をあえてNGにする。禁止するとむしろ燃える。 うれしい、たのしい、など直接的表現をあえてNGにしてみる。心に花が咲くなど「心シリーズ」が生まれる。 心もNGにしてみる。すると、「今なら空を飛べる気がする」という比喩表現が生まれる。→How to sayの訓練。 |
このヒントから介護記録で「弄便、徘徊、帰宅願望」という言葉を殆ど使うのを止めた。詳しい状況や本人が話した言葉を記録せず安易に使うと背景が見えづらくなるからだ。
日常生活でも「マジで、ヤバい」など使いがちな言葉を禁止すると語彙力が上がる。会話中に言ってはいけない言葉を決める「禁止言葉ゲーム」、その頭文字バージョン(例えば頭文字「あ」の言葉を禁止)も面白そう。演劇ワークショップでやったことがある。
2)本人が話した言葉を「ありのまま」記録する
介護記録の書き方が上手な方はこのことを実践していると思い真似した。教育実習で子ども達の発言を私(教師)が要約して纏めたらありのまま書くよう注意されたこともある。その為「Aさん夕方から帰宅願望訴えられる」より「Aさん○時にこう職員に話していた」と記録するよう意識していた。
(2)他施設での取組
その方の背景に迫り声掛けやケアに活かす取組をしている他施設もある。「にやりほっと」を報告しファイリングしたり、チームアプローチできるツールを開発したり。NHKスペシャル「シリーズ認知症革命 最後までその人らしく」では認知症の本人に手記を書いてもらうという取組が紹介された。ハレくんさん、秋本可愛さんのTweetでもその方の生活歴や仕事の情報が活かされていることが覗える。